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パニック障害

パニック障害とは

パニック障害とは
パニック障害とは、身体的な病気がないにもかかわらず、突然の動悸・呼吸困難・めまいなどの発作を繰り返し、その発作への不安から外出が難しくなるなどの問題が生じている状態です。国内の人口の約2%に見られる身近な障害です。
長引くと、退職せざるを得なくなったり、うつ病の原因となることがありますが、適切な治療によって比較的早期に治る病気でもあります。それゆえに、早期発見・早期治療がとても大切になります。

パニック障害の症状は?
セルフチェック

突然、以下のような症状を伴う発作におそわれます。1回あたりの発作の時間はほとんどが5~20分、長くても1時間ほどです。
そしてこういった発作が、何度も繰り返されます。

  • 動悸
  • 呼吸困難
  • めまい
  • 気が遠くなる
  • 発汗
  • 身震い
  • 息苦しさ
  • 喉が詰まる感じ
  • 胸の不快感、痛み
  • お腹の不快感、痛み
  • まわりの現実感が失われ、自分が自分でないような感じがする
  • このまま気が狂ってしまうのではという恐怖がある
  • このまま死んでしまうのではという恐怖がある
  • 身体のしびれ
  • 身体の冷感、熱感

パニック障害の原因・発作のきっかけ

パニック障害の原因・発作のきっかけ
初回の発作については、過労、ストレスが主な原因と言われています。脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンが増加し、神経が異常に興奮するために、さまざまな症状が現れます。
発作は時に強い恐怖感を植え付け、それが次の発作への不安(予期不安)となり、さらなるストレスを引き起こしたり、出社や登校、または外出そのものを難しくすることがあります。
また、ノルアドレナリンが増加に伴いセロトニンが減少することも、不安の増大の要因になると言われています。

パニック障害に
なりやすい人の特徴

過労、ストレスが主な原因と言われていることから、以下に当てはまる人は、そうでない人と比べるとパニック障害になりやすいと言えます。

完璧主義で真面目

完璧主義であったり真面目であったりする人は、小さな失敗でひどく落ち込んでしまったり、引きずってしまう傾向にあります。また、同僚などの仲間に頼れない人も多く、一人で物事を抱え込んでしまいがちです。結果、疲労やストレスが溜まりやすくなります。

感受性が豊か

楽しいことを思い切り楽しめ、きれいなものに深く感動できる感受性豊かな人は、その性格がマイナスに働いてしまうことがあります。失敗や失恋で悲しんでいる親しい人、災害や病気・ケガなどで苦しんでいる人を見ると、その人と同じかそれ以上に傷ついてしまいます。
感受性が豊かということは、ストレスを感じやすい性格とも言えるのです。

周りの目が気になる

周りの目をまったく気にしないという人はほとんどいません。しかし、あまりにも過剰に気にする人は、何か失敗をした時に必要以上に自分を責めたり、駄目な人間だと思い込んでしまう傾向があります。また、常に悪く見られていないかが気になり、普通に社会生活を送るだけでも、人より神経を擦り減らすことになります。

こだわりが強い

こだわりが強い人は、その対象に関する知識が豊富であったり、惜しみなく努力ができたりと、社会的な強みを持つ一方で、思い通りの手順を踏めない・結果が出ない場合には、ひどく不安になったり、落ち込んだりします。こういったことが、過労やストレスにつながります。

睡眠不足・生活リズムが不規則

睡眠時間が不足していたり、昼夜が逆転するような生活をしていると、当然ながら疲れが溜まりやすく・抜けにくくなります。また寝不足はストレスに直結し、イライラしやすいといった傾向も見られます。

うつ病の既往歴

うつ病である人や以前にうつ病になったことがある人は、そうでない人よりもパニック障害になりやすいことが分かっています。ストレスという同じ原因をもつため、この2つの病気はしばしば合併します。

パニック障害の診断基準

動悸、めまい、息苦しさ、窒息感、発汗、気が狂うことや死への恐怖など、定められた13の症状のうち4つ以上に当てはまる発作があり、以下のうち1つ以上に該当する場合に、パニック障害と診断されます。

  • 次に起こるかもしれない発作、その結果を想像して不安がある(予期不安)
  • 発作を避けるような行動や生活が見られる

パニック障害の対策・発作が起きた時の対処法

パニック障害、または発作への対処法をご紹介します。

対処や発作を防ぐ方法

部屋や乗り物は出口の
近くにいる

部屋(オフィス・教室など)、乗り物の中にいる場合には、出口の近くにいると、発作が起こりにくくなります。すぐに出られるという安心感が、発作を予防するものと考えられます。

意識を他に向ける

発作が起きるかもしれないと不安になると、意識が発作への恐怖心で満たされ、強いストレスを引き起こします。
飴を舐める、ガムを噛む、秒針を見て数字を数える、頭の中で暗算をする、好きな歌を頭の中で歌うといった方法で、意識を発作ではない他のものに向けることで、発作を予防することが可能です。

54321法

その時目に見えるものを5つ見つけ、「時計が見えます」「靴が見えます」といったように声を出します(声を出せない時は、心の中で唱えます。以下同)。
次に、感じるものを4つ見つけ、「疲れを感じます」「風を感じます」といったように声を出します。
その次は聞こえる音について3つ、におうもの(または好きなにおい)を2つ、同じように声に出します。
最後に、自分の好きなところ(見た目・性格など何でも)を1つ思い浮かべ、声にします。
54321法は、先ほどご紹介した「意識を他に向ける」方法の1つとも言えます。集中して取り組むことで、発作が起こりにくくなります。

深呼吸をする

心を落ち着ける方法としてよく知られていますが、パニック障害の発作を予防するのにも有効です。
リズムはあまり気にせず、とにかく深く息を吸い、長く吐きましょう。

パニック障害の人に
言ってはいけない
言葉は?

パニック障害の人に対して、言うべきでない言葉をご紹介します。家族や友人、同僚など、一緒にいる時間が長い人に対しては、予め伝えておくのも良いかもしれません。

「また発作?」「気持ちの問題じゃない?」

パニック障害の人は、発作を何度も繰り返します。毎日一緒にいる人であれば、「またか」と思ってしまってもおかしくありません。しかし、発作を完全に予防するということはできません。気持ちでは、どうしようもないのです。
また、「早く発作を鎮めよう」と本人が意識してしまうと、ストレスから発作が悪化するおそれもあります。

「今日はきっと発作は
起こらないよ」

きっと大丈夫、というのは人を励ます際によく使われますが、パニック障害の人には逆効果です。
特に、それまで本人が忘れていたのに「今日はきっと発作は起こらないよ」と言われてしまうと、どうしても意識が発作へと向いてしまうのです。

「落ち着いて」

特に目上の人、あまり親しくない人から「落ち着いて」と言われると、緊張が強まり発作が悪化することがあります。

治し方

治し方
パニック障害は、早期に適切な治療を行うことで、比較的短期間での治癒が期待できます。

生活習慣の改善

過労、ストレスの原因となる生活習慣を取り除いていきましょう。具体的には、不規則な生活リズム、睡眠不足、飲み過ぎ・二日酔いなどです。まずはこれを優先し、その上でバランスの良い食事、適度な運動習慣を、無理のない範囲で取り入れましょう。

悪化要因

  • 過労・ストレス
  • 不規則な生活リズム
  • 睡眠不足
  • 飲み過ぎ、二日酔い
  • カフェインの摂り過ぎ

薬物療法

セロトニンに作用する抗うつ薬「SSRI」を主に使用します。
抗不安薬を少量、併用することもあります。

精神療法

医師や臨床心理士とのカウンセリングの中で、認知行動療法を行います。
「電車に乗ったから(オフィスに入ったから)発作が起こった」といった歪んだ認知を明確化し、その上で歪みの矯正を図ります。電車に乗ったりオフィスに入ったりした時にも発作は起こらないという経験を積んでいくことで、「電車に乗っても大丈夫なんだ」と正しい認知を得ることができます。